派遣先均等・均衡方式の弱点を補強する労使協定方式の意義

派遣先均等・均衡方式の弱点を補強する労使協定方式の意義

派遣元事業主は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その雇用する派遣労働者の待遇(派遣法第40条第2項の教育訓練及び同条第3項の福利厚生施設に係るものを除く。)について、一定の事項を定めたときは、派遣先に雇用される通常の労働者との均等・均衡を確保するための措置(派遣法第30条の3の規定に基づく措置)は適用しない(派遣法第30条の4第1項)こととされています。

ただし、労使協定で定めた事項を遵守していない場合又は労使協定の定めによる公正な評価に取り組んでいない場合、この限りでない(派遣法第30条の4第1項ただし書)こととされています。

また、労使協定を締結した派遣元事業主は、労使協定をその雇用する労働者に周知しなければなりません(派遣法第30条の4第2項)。

労使協定の方式に基づく労使協定の締結に際して、派遣元事業主は、過半数代表者の適切な選出手続きを行わなければなりません。

労使協定方式の意義

派遣労働者については、その就業場所は派遣先であり、待遇に関する派遣労働者の納得感を考慮するためには、派遣先の通常の労働者との均等・均衡を確保するための措置を講ずることは重要な観点です。一方、この場合には、派遣先が変わるたびに派遣労働者の賃金水準が変わり、派遣労働者の所得が不安定になることが想定され、また、一般に賃金水準は大企業であるほど高く、小規模の企業であるほど低い傾向にあるが、派遣労働者が担う職務の難易度は、同様の業務であっても、大企業であるほど高度で、小規模の企業であるほど容易とは必ずしも言えず、結果として、派遣労働者個人の段階的かつ体系的なキャリアアップ支援と不整合な事態を招くことがあり得ると考えられます。 

このため、派遣元事業主が、労使協定を締結した場合には、労使協定に基づき派遣労働者の待遇を決定することで、計画的な教育訓練や職務経験による人材育成を経て、段階的に待遇を改善するなど、派遣労働者の長期的なキャリア形成に配慮した雇用管理を行うことができるようにしたものとされています。

確かに派遣先均等・均衡方式ですと賃金水準が高い大企業での派遣就業に就きたいという派遣労働者の要求が多くを占め、労働者派遣の需給調整機能にも問題が生じることが考えられます。

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