労使協定の締結方法

労使協定の締結方法

労働者派遣法30条の4第1項の労使協定の締結方法等

労使協定は、派遣元事業主単位又は労働者派遣事業を行う事業所単位で締結することが可能です。ただし、待遇を引き下げることを目的として、恣意的に締結単位を分けることは、労使協定方式の趣旨に反するものであり、適当ではないことに留意しなければなりません。

派遣元事業主は、労使協定により派遣労働者の待遇を決定することとする場合には、過半数労働組合又は過半数代表者との間で書面による協定を締結しなければなりません。書面によらず協定した場合には、労働者派遣法第30条の4第1項の協定とは認められず、派遣先に雇用される通常の労働者との間の均等・均衡待遇を確保しなければなりません。

過半数労働組合との間で労使協定を締結する場合における過半数労働組合は、派遣元事業主における労働者又は派遣元事業主の各事業所における労働者の過半数で組織する労働組合です。「労働組合」とは、労働組合法第2条に規定する要件を満たすものに限られます。

過半数代表者との間で労使協定を締結する場合には、過半数代表者は、以下の1及び2のいずれにも該当する者とすること(規則第25条の6第1項)が必要です。また、過半数代表者は、派遣労働者を含む全ての労働者から選出されることとなります。過半数代表者が適切に選出されなかった場合には、労働者派遣法第30条の4第1項の協定とは認められず、派遣先の通常の労働者との均等・均衡による待遇を確保しなければなりません。

なお、労働者の過半数の信任を得ていない労働者個人は、過半数代表者とは認められないことから、派遣元事業主は当該労働者個人との間で労使協定を締結することは認められないことに留意することが必要です。

  1. 労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者ではないこと。
  2. 労使協定をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の民主的な方法による手続により選出された者であって、派遣元事業主の意向に基づき選出されたものでないこと。

なお、「投票、挙手等」の方法としては、「投票、挙手」のほか、労働者の話合い、持ち回り決議等労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続が該当する。ただし、1.に該当する者がいない派遣元事業主(労使協定を派遣元事業主単位で締結する場合)又は1.に該当する者がいない事業所(労使協定を事業所単位で締結する場合)にあっては、2.に該当する者とすること(規則第25条の6第1項)。

また、派遣元事業主は、労働者が過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として、解雇、賃金の減額、降格等労働条件について不利益な取扱いをしないようにしなければなりません(規則第25条の6第2項)。「過半数代表者として正当な行為」には、労使協定の締結の拒否等も含まれます。

派遣元事業主は、過半数代表者が労使協定の事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行わなければなりません(規則第25条の6第3項)。この「必要な配慮」には、例えば、過半数代表者が労働者の意見集約等を行うに当たって必要となる事務機器(イントラネットや社内メールを含む。)や事務スペースの提供を行うことが含まれます。

なお、派遣中の派遣労働者が異なる派遣先に派遣されているため意見交換の機会が少ない場合がありますが、その場合には、過半数代表者を選任するための投票等に併せて意見、希望等を提出させ、これを過半数代表者が集約するなどにより、派遣労働者の意思が反映されることが望ましいことに留意しなければなりません。

労使協定の保存期間

派遣元事業主は、労使協定を締結したときは、労使協定に係る書面を、その有効期間が終了した日から起算して3年を経過する日まで保存しなければなりません(規則第25条の12)。

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