労使協定の対象とならない待遇3(アイキャッチ画像)

労使協定の対象とならない待遇

労使協定の対象とならない待遇は、派遣先に実施が義務付けられている労働者派遣法第40条第2項の教育訓練及び利用の機会の付与が義務付けられている労働者派遣法第40条第3項の福利厚生施設給食施設、休憩室、更衣室)です(規則第25条の7)。

これらの待遇については、派遣先に雇用される通常の労働者との間の均等・均衡待遇を確保しなければ実質的な意義を果たすことができないため、労使協定の対象となる待遇から除かれています。

派遣先は、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者に業務遂行に必要な教育訓練を実施している場合には、労使協定の対象となる派遣労働者に対しても実施しなければなりません。

また、派遣先は、派遣先に雇用される労働者に福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室)利用の機会を付与する場合には、当該派遣先で派遣就業する協定対象派遣労働者に対し、福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室)の利用を認めなければなりません。

派遣元も、これらの待遇に係る派遣先の通常の労働者との間の均等・均衡の義務を免れるものではありません。

派遣先に実施が義務付けられている労働者派遣法第40条第2項の教育訓練

派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者について、当該派遣労働者を雇用する派遣元事業主からの求めに応じ、当該派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事するその雇用する労働者が従事する業務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練については、当該派遣労働者が当該業務に必要な能力を習得することができるようにするため、当該派遣労働者が既に当該業務に必要な能力を有している場合その他厚生労働省令で定める場合を除き、当該派遣労働者に対しても、これを実施する等必要な措置を講じなければならない。

労働者派遣法第40条(適正な派遣就業の確保等)第2項

本来、派遣労働者に対しては、雇用主である派遣元事業主が必要な教育訓練を行うべきであるのですが、派遣先の業務に密接に関連した教育訓練については、実際の就業場所である派遣先が実施することが適当で、また、実施可能な訓練も想定されるという理由から導かれたものです。実際、派遣労働者に対する教育訓練が少なくなりがちという実情にもかんがみ、派遣先は、派遣元事業主からの求めに応じて、派遣先の労働者と同様の訓練を実施する等必要な措置を講ずる義務を課したものです。

給食施設

利用の機会の付与が義務付けられている労働者派遣法第40条第3項の福利厚生施設

派遣先は、当該派遣先に雇用される労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であつて、業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるものについては、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対しても、利用の機会を与えなければならない。

労働者派遣法第40条(適正な派遣就業の確保等)第3項

食堂、休憩室、更衣室は、業務の円滑な遂行に資する施設であり、派遣労働者と派遣先の労働者で別の取扱いをすることは適当でないことから、同様の取扱いをする義務を派遣先に課すこととしたものです。

なお、このほか派遣先は、自ら設置及び運営し、その雇用する労働者が通常利用している、物品販売所、病院、診療室、浴場、理髪室、保育所、図書館、講堂、娯楽室、運動場、体育館、保養施設等の施設利用の便宜供与の措置を講ずるよう、配慮する義務があります。

前三項に定めるもののほか、派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者について、当該派遣就業が適正かつ円滑に行われるようにするため、適切な就業環境の維持、診療所等の施設であつて現に当該派遣先に雇用される労働者が通常利用しているもの(前項に規定する厚生労働省令で定める福利厚生施設を除く。)の利用に関する便宜の供与等必要な措置を講ずるように配慮しなければならない。

労働者派遣法第40条(適正な派遣就業の確保等)第4項

なお、配慮義務というのは、何らかの具体的な措置を講ずることを求めるものなのですが、派遣先の労働者と同様の取扱いをすることが困難な場合まで、取扱いを求めるものではなく、例えば、定員の関係で派遣先の労働者と同じ時間帯に診療所の利用を行わせることが困難であれば別の時間帯に設定する等の措置を行うことにより配慮義務を尽くしたと解されることとされています。

派遣元は、教育訓練・福利厚生施設に係る情報を入手する

よって、派遣元は、労使協定の対象とならないこれらの待遇の確認があらかじめ必要となります。派遣元は、派遣先が雇用する労働者に利用の機会を付与する福利厚生施設(給食施設、休憩室及び更衣室)に係る情報、派遣先での業務遂行に必要な教育訓練に係る情報を派遣先から収集しなければなりません。

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