労使協定を締結した派遣元事業主は、次のいずれかの方法により、労使協定をその雇用する労働者に周知しなければなりません(派遣法第30条の4第2項)。その方法については、派遣元事業主が派遣労働者の待遇に関する重要な事項を定めた労使協定を周知するに当たっては、周知対象である派遣労働者の就業場所が派遣元事業主の事業所ではなく、派遣先の様々な場所であり、派遣元事業主の事業所内における掲示等では不十分であることを踏まえたものです。なお、周知対象となる労働者は、派遣労働者に限らず、派遣元事業主が雇用する全ての労働者であることとされています。
- 書面の交付の方法
- 次のいずれかによることを労働者が希望した場合における当該方法
・ファクシミリを利用してする送信の方法
・電子メール等の送信の方法 - 電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ労働者が当該記録の内容を常時確認できる方法
具体的には、例えば、派遣労働者にログイン・パスワードを発行し、イントラネット等で常時確認できる方法等をいうこと。 - 常時派遣元事業主の各事業所の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける方法(労使協定の概要について、1.又は2.の方法によりあわせて周知する場合に限る。)
労使協定の概要については、少なくとも、労使協定の対象となる派遣労働者の範囲、派遣労働者の賃金(基本給、賞与、通勤手当、退職手当等)の決定方法及び有効期間を盛り込み、派遣労働者が容易に理解できるようにすることが望ましいこととされています。

労使協定の周知の趣旨を踏まえると、派遣労働者が求める場合には、労使協定を常時閲覧できるようにすることが必要であるため、派遣労働者が希望する場合には、労使協定本体を書面の交付等により周知することが望ましいこととされています。